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絶対零度 | 水の融点 | 水の沸点 | |
セルシウス | -273.15 | 0 | 100 |
ケルビン | 0 | 273.15 | 373.15 |
ファーレンハイト | -459.67 | 32 | 212 |
ランキン | 0 | 491.67 | 671.67 |
ドリール | 559.275 | 150 | 0 |
ニュートン | -90.1 | 0 | 33 |
レオミュール | -219 | 0 | 80 |
レーマー | -136 | 7.5 | 60 |
物体の温度を1K上げるのに必要な、単位質量(普通1g)あたりの熱量を、比熱と言う。
比熱の単位は、
物体の質量をm[g]、比熱をc[J/(g・K)]、上がる温度をΔT[K]とすると、
Q=mcΔT
と表せる。
気体
凝縮 蒸発
昇華↑↓昇華 凝結↓↑沸騰
凝固
固体 ← 液体
→
融解
液体が表面から気体になることを蒸発、内部からも気体になることを沸騰と言う。
熱を加えても温度が上がらない時は、状態変化に熱が使われている。
固体が液体になる時に奪う熱を融解熱、液体が気体になる時に奪う熱を蒸発熱と言う。
氷の融解熱は約334J/g、水の蒸発熱は約2257J/gである。
気体を構成する原子や分子は乱雑に動いているため、原子や分子も力学的エネルギーをもっていると言える。
熱運動による運動エネルギーと原子間や分子間の力による位置エネルギーの総和を、内部エネルギーと言う。
気体に熱を加えたり、仕事をしたりする時、気体の内部エネルギーが変化した量をΔU[J]、気体を圧縮する方向を正として、外部が気体にした仕事をW[J]とすると、
ΔU=Q+W
と表せる。
気体が膨張する方向を正として、気体が外部にする仕事をW'[J]とすると、
ΔU=Q-W'
と表せる。
熱を仕事に変える機関を、熱機関と言う。
熱機関がした仕事をW'[J]、熱機関が受け取った熱をQ1[J]、熱機関が与えた熱をQ2[J]とすると、
W'=Q1-Q2
と表せる。
熱機関が受け取った熱のうち、仕事に変換されたものの割合を、熱効率と言う。
熱機関がした仕事をW'[J]、熱機関が受け取った熱をQ1[J]、熱機関が与えた熱をQ2[J]とすると、
e=W'/Q1
=(Q1-Q2)/Q1
と表せる。
熱が自然に低温の物体から高温の物体へ移動することはないため、熱平衡になる、つまり、低温の物体と高温の物体の温度が同じになると、熱はそれ以上移動しない。
また、低温の物体と高温の物体が触れ合うと、熱は必ず移動し、熱機関は高温熱源からの熱によって温まるため、熱を全て仕事に変える熱機関は存在しない。
高温の物体から低温の物体に熱が移動して熱平衡になった時、全ての原子や分子が同じ内部エネルギーをもち、同じ速度で熱運動をしているのではなく、高いエネルギーをもち高速で運動しているものもあれば、低いエネルギーをもち低速で運動しているものもある。
この原子や分子がもつエネルギーの高さの変異を、エントロピーと言う。
エントロピーは、常に増大する。
絶対零度の物体のエントロピーは、0J/Kである。
最初から絶対零度の物体が存在しない限り、絶対零度の物体は存在しない。
密度が高いところと低いところを伝える波を、縦波、若しくは疎密波と言う。縦波には、例えば音などがある。
位置のずれを伝える波を、横波と言う。横波には、例えば水の波や光などがある。
波の速度は、
v=x/t
と表せる。
波を伝える物質を、媒質と言う。媒質が1回振動すると、波は波長1つ分進む。
横波の変異が最も高いところを山、最も低いところを谷と言う。
縦波の密度が最も高いところを密、最も低いところを疎と言う。
波が波長1つ分進むのにかかる時間を、周期と言う。
波の速度は、
v=λ/T
と表せる。
媒質が1秒間に振動する回数を、振動数と言う。
振動数の単位は、
振動数は、
f=1/T
と表せる。
波の速度は、
v=fλ
と表せる。
いくつかの波が重なった時、それぞれの波は自分の振幅を維持しながら、自分の方向へ進む。このことを、波の独立性と言う。
いくつかの波が重なったものを、合成波と言う。合成波の振幅は、それぞれの波の振幅を足したものと同じである。このことを、重ね合わせの原理と言う。
同じ振幅と波長をもつ波同士が重なってできた合成波のことを、定常波と言う。
定常波は、その場にとどまっているように見える。
物体が動くと、周囲の空気が疎になったり密になったりして、媒質が空気である疎密波、つまり音ができる。
空気中において、音速をv[m/s]、気温をt[℃]とすると、
v=331.5+0.6t
と表せる。
音の要素は、音の高さ、音の大きさと音色である。
振動数が大きくなるほど音は高くなり、振幅が大きくなるほど音は大きくなる。
若干異なる振動数をもつ音波同士が重なると、「ワーン、ワーン」と聞こえる。
振動数の差が大きくなるほど、1秒間に聞こえるうなりの回数は多くなる。1秒間に聞こえるうなりの回数をf[回]、一方の音波の振動数をf1[Hz]、もう一方の音波の振動数をf2[Hz]とすると、
f=f1-f2
と表せる。
音を発生させるものには、弦、閉管と開管の3種類がある。
nを正の整数として、長さがL[m]である弦に、波長の半分の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
λn=2L/n
と表せる。
波長が弦の長さの2倍である波を、その弦の基本振動と言う。nを正の整数として、振動数が基本振動のn倍である波を、n倍振動と言う。
nを正の整数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
fn=v/λn
=v/(2L/n)
=nv/2L
と表せる。
nを正の奇数として、長さがL[m]である弦に、波長の1/4の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
λn=4L/n
と表せる。
nを正の奇数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
fn=v/λn
=v/(4L/n)
=nv/4L
と表せる。
nを正の整数として、長さがL[m]である弦に、波長の半分の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
λn=2L/n
と表せる。
nを正の整数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
fn=v/λn
=v/(2L/n)
=nv/2L
と表せる。
あらゆる物体は、電荷をもっている。電荷の量を、電気量と言う。電気量の単位は、
陽子1つがもつ電荷の量は、約1.6×10-19Cである。電子1つがもつ電荷の量は、約-1.6×10-19Cである。原子1つがもつ陽子の数と電子の数は同じであるため、普段は物質の電気量は0Cである。
しかし、異なる素材からなる物体同士をこすり合わせると、電子が移動し、物体が電荷をもつ。
物体が電荷をもっている状態のことを、帯電と言う。帯電している物体がもっている電気のことを、静電気と言う。帯電している物体を他の物体に近づけると、物体同士の間で電流が流れる。この現象を、放電と言う。
帯電している物体同士が及ぼし合う引力や斥力のことを、静電気力と言う。電気量の符号が異なる時は物体は近づき合い、同じ時は物体は遠ざかり合う。
比例定数をk[(m3・kg)/(s4・A2)]、一方の物体の電気量をq1[C]、もう一方の物体の電気量をq2[C]、物体間の距離をr[m]とすると、静電気力は、
F=kq1q2/r2
と表せる。
金属原子は、最外殻電子が自由に動くことによって結合している。
割っか状に繋げた金属のことを、回路と言う。
電子が流れることを、電流と言う。正の電荷が移動する方向を、正の電流の向きとする。
電子の電荷は負であるため、電子が移動する方向と電流の向きは逆である。
電流の大きさの単位は、
電流の大きさは、
I=q/t
と表せる。
電流を流す勢いのことを、電圧と言う。
電圧の単位は、
電流を妨げることを、抵抗と言う。
抵抗の単位は、
電圧は、
V=RI
と表せる。
抵抗は、
R=ρl/S
と表せる。
抵抗を直列に繋いだ時、合成抵抗をR[Ω]、一方の抵抗をR1[Ω]、もう一方の抵抗をR2[Ω]とすると、
R1+R2=R
と表せる。
抵抗を並列に繋いだ時、合成抵抗をR[Ω]、一方の抵抗をR1[Ω]、もう一方の抵抗をR2[Ω]とすると、
1/R1+1/R2=1/R
と表せる。
ニクロム線に電流を流すと、熱くなる。この時、熱量は、
Q=I2Rt
=VIt
=(V2/R)t
と表せる。
ドライヤーは、もらった電気エネルギーをニクロム線で熱エネルギーに変えている他に、モーターで運動エネルギーにも変えている。このような様々なエネルギーを生むのに必要な電気エネルギーのことを、電力量と言う。
電力量は、
W=I2Rt
=VIt
=(V2/R)t
と表せる。
単位時間(普通1秒)あたりに消費される電力量のことを、消費電力と言う。消費電力は、
P=W/t
=I2Rt/t
=I2R
=VI
=V2/R
と表せる。
電力量の単位には、
抵抗を直列に繋いだ時、電力量や消費電力は、抵抗に反比例する。
抵抗を並列に繋いだ時、電力量や消費電力は、抵抗に比例する。
向きが一定である電流のことを、直流(direct current)と言う。直流は、電圧が一定である。
乾電池の電圧は、1.5Vである。
向きが周期的に変わる電流のことを、交流(alternating current)と言う。交流は、電圧も周期的に変わる。
一般家庭に供給されている電気の電圧の振幅は、約140Vである。これを直流に換算すると、100Vになる。
静岡県富士市旧市域よりも東における周波数は50Hzであり、同市旧富士川町よりも西における周波数は60Hzである。
ある抵抗に50Vの電圧をかけたい。しかし、今、手元には電圧が100Vである電気しかない。そのような時には、変圧器を使う。変圧器とは、電圧を変えるために使う、2つのコイルを1つの鉄心に巻いたものである。
電流を流すコイルにかかる電圧をV[V]、そのコイルに導線を巻いた回数をN[回]、電流が流れるコイルにかかる電圧をV'[V]、そのコイルに導線を巻いた回数をN'[回]とすると、
V:V'=N:N'
と表せる。
磁石同士に働く引力や斥力のことを、磁力と言う。
磁力が生じている空間のことを磁場と言い、方位磁針を置いた時にN極が指す方向のことを磁場の向きと言う。
電流が流れるとその周りに磁場ができるが、電気が奥に流れる時は磁場の向きは時計回りになり、電気が手前に流れる時は磁場の向きは反時計回りになる。
磁石を導線に近づけたり離したりすると、導線に電気が流れる。
電磁誘導では、コイルの中を通る磁力線の数の変化を打ち消す方向に電流が流れる。
量記号 | 物理量・物理定数 | 単位 |
a | 加速度 | m/s2 |
c | 比熱 | J/(g・K) |
e | 熱効率 | なし |
f | 振動数 | Hz |
f | 静止摩擦力、抵抗力 | N |
f0 | 最大摩擦力 | N |
f' | 動摩擦力 | N |
F | 力 | N |
g | 重力加速度 | m/s2 |
h | 高さ | m |
I | 電流 | A |
k | ばね定数 | N/m |
K | 運動エネルギー | J |
l | 長さ | m |
m | 質量 | kg |
p | 圧力 | Pa |
P | 仕事率、消費電力 | W |
q | 電気量 | C |
Q | 熱量 | J |
r | 半径 | m |
R | 抵抗 | Ω |
S | 面積 | m2 |
t | 時間 | 秒 |
T | 周期 | 秒 |
T | 温度 | K |
U | 位置エネルギー、弾性エネルギー | J |
v | 速度 | m/s |
v0 | 初速 | m/s |
V | 体積 | m3 |
V | 電圧 | V |
W | 仕事、電力量 | J |
x | 距離、長さ | m |
θ | 角 | rad |
λ | 波長 | m |
μ | 静止摩擦係数 | なし |
μ' | 動摩擦係数 | なし |
ρ | 密度 | kg/m3 |
ρ | 抵抗率 | Ω・m |