物理学概説

 第1章 運動

◎等速直線運動

 まっすぐ一定の速度で進む運動のことを、等速直線運動と言う。等速直線運動の距離は、
 x=vt
と表せる。

◎相対速度

 タクシーがv1[m/s]、トラックがv2[m/s]で走っている時、トラックからはタクシーがv1-v2[m/s]で走っているように見える。

◎合成速度

 v1[m/s]で動いている動く歩道を人がv2[m/s]で歩いていると、歩道の外からは人がv1+v2[m/s]で歩いているように見える。

◎等加速度直線運動

 まっすぐ一定の加速度で加速しながら進む運動のことを、等加速度直線運動と言う。加速度の単位は、m/s2メートル毎秒毎秒である。1秒間に1m/s加速する加速度を、1m/s2と言う。等加速度直線運動の速度は、
 v=v0+at
と表せる。進んだ距離は、
 x=v0t+1/2at2
と表せる。

◎自由落下

 自由落下の初速は0である。自由落下の速度は、
 v=gt
と表せる。

◎鉛直投射

 鉛直投げ下ろしの初速は下向きである。鉛直投げ下ろしの速度は、
 v=v0+gt
と表せる。距離は、
 x=v0t+1/2at2
と表せる。

 鉛直投げ上げの初速は上向きである。鉛直投げ上げの速度は、
 v=v0-gt
と表せる。距離は、
 x=v0t-1/2gt2
と表せる。

◎水平投射と斜方投射

 物体を初速v0[m/s]で水平方向に投げた時、水平方向の速度はずっとv0[m/s]である。鉛直方向の速度は自由落下と同じである。

 物体を初速v0[m/s]で斜めに投げた時、水平方向の速度はずっとv0[m/s]である。鉛直方向の速度は鉛直投げ上げと同じである。


 第2章 力

◎力のつり合い

 2人が棒を引っ張り合う時、同じ力で引っ張ると、棒は動かない。物体が動かない時、物体にかかる力はつり合っている。力の大きさの単位は、Nニュートンである。1kgの物体を1m動かすのに必要な力の大きさを、1Nと言う。1Nは、地球上で98gの物体にかかる重力とほぼ等しい。 地球上における重力加速度は、およそ9.8m/s2である。

◎ばね

 力を加えていないときのばねの長さのことを、自然長と言う。ばねが伸びたり縮んだりしていると、ばねは自然長に戻ろうとする。この力を、弾性力と言う。弾性力は、ばねの自然長から伸びたか縮んだ長さに比例する。このことを、フックの法則と言う。弾性力は、
 F=kx
と表せる。

◎力の合成と分解

 いくつかの力を1つの力に合わせることを、力の合成と言う。合成した力を、合力と言う。

 1つの力をいくつかの力に分けることを、力の分解と言う。

◎作用・反作用の法則

 物体Aが物体Bに力を加えているとき、物体Aも物体Bから力を受ける。

◎慣性の法則

 物体に力が加えられていないか、力がつり合っているとき、物体は静止するか、等速直線運動を続ける。

◎運動の法則

 物体に生じる加速度は、物体に加えられている力に比例し、物体の質量に反比例する。このことは、
 a=F/m
 ma=F

と表せる。

◎三角比

 直角三角形の、1つの鋭角の大きさをθ、斜辺の長さをaθと隣り合わない辺の長さをb、残りの辺の長さをcとすると、
 sinθ=b/a
 b=asinθ
 cosθ=c/a
 c=acosθ
 tanθ=b/c
   =sinθ/cosθ

と表せる。

◎摩擦力

 摩擦力とは、物体が進もうとする方向に対して逆向きに働く力のことである。静止摩擦力とは、物体が止まっているときの摩擦力のことであり、物体にかかる力によって変動する。ぎりぎり動かないときの摩擦力を、最大摩擦力と言い、f0と書く。動摩擦力とは、物体が動いているときの摩擦力のことで、速度にかかわらず一定であり、f'と書く。

 摩擦があって動かない時、押す力は、
 F=f
と表せる。

 摩擦があって動く時、押す力と動摩擦力の差は、
 ma=F-f'
と表せる。

 摩擦力は、垂直抗力に比例する。最大摩擦力と動摩擦力は、
 f0=μN
 f'=μ'N
と表せる。

◎流体中の運動

 ある面に力が加えられているとき、単位面積あたりに加えられている力のことを、圧力と言う。圧力の単位は、Paパスカルである。1m2あたりに1Nの力がかかっているときの圧力を、1Paと言う。圧力は、
 p=F/S
と表せる。空気の重さによる圧力を、大気圧と言う。空気の質量は、1Lあたり約1.29gである。海面における大気圧は、平均すると、約1.013×105Paである。水の重さによる圧力を、水圧と言う。

 浮力とは、流体が物体を押し上げる力のことである。物体にかかる浮力は、その物体と同じ体積の流体にかかる重力に等しい。浮力は、
 F=ρVg
と表せる。

 流体中を落下する物体は、逆向きに抵抗力を受ける。その抵抗力は、流体の粘度によって決まる比例定数をc[kg/ms]とすると、
 f=crv
と表せる。物体が落下する速度は落下するにつれてだんだん速くなるが、ある速度で加速度が0m/s2になり、それ以降は速度が一定になる。この速度を、終端速度と言う。


 第3章 力学的エネルギー

◎仕事

 物体に力を加え、物体が力と同じ方向に移動した時、その力は仕事をしたと言う。

 仕事の単位は、Jジュールである。物体を1Nの力で1m動かす仕事を、1Jと言う。

 仕事は、
 W=Fx
と表せる。

 斜めに力を加えた場合、その力がした仕事は、
 W=Fcosθx
と表せる。

 物体を動かす方向を変えると、少ない力で同じ仕事ができることがあるが、その代わりに動かす距離は伸びる。

◎仕事率

 単位時間(普通1秒)あたりにした仕事のことを、仕事率と言う。

 仕事率の単位は、Wワットである。1秒間に1Jの仕事をする時の仕事率を、1Wと言う。

 仕事率は、
 P=W/t
と表せる。

 一定の速度で物体を動かした時、その仕事率は、
 P=W/t
  =(Fx)/t
  =Fv

と表せる。

◎力学的エネルギー

 他の物体に影響を及ぼす可能性のある物体は、エネルギーをもっていると言える。力学的エネルギーは、3つに分類できる。

  • 運動エネルギー…動いている物体がもつエネルギー。
  • 位置エネルギー…高いところにある物体がもつエネルギー。高いところにある物体は、落とすと割れたり、地面にめり込んだりするため、エネルギーをもっていると言える。
  • 弾性エネルギー…変形しているばねがもつエネルギー。

◎運動エネルギー

 運動エネルギーは、
 K=1/2(mv2)
と表せる。

◎位置エネルギー

 位置エネルギーは、
 U=mgh
と表せる。

 弾性エネルギーは、
 U=1/2(kx2)
と表せる。

 ばねが自然長に戻っていくにつれて、弾性力は弱まっていく。

 F=kxを0からxまで積分すると、
 U=∫0xkxdx
  =[1/2(kx2)]0x
  =1/2(kx2)
になる。

◎力学的エネルギーの保存

 運動エネルギー、位置エネルギー、及び弾性エネルギーの和は、一定になる。


 第4章 熱

◎熱運動

 物体を構成する原子や分子が不規則に動くことを、熱運動と言う。

 コロイド中の粒子が細かく揺れるように動くことを、ブラウン運動と言う。

◎温度と熱量

 1気圧における水の融点を0℃、沸点を100℃とする温度の表し方を、摂氏温度と言う。

 摂氏温度の単位は、セルシウス度である。

 摂氏温度と同じ1度の幅をもち、全ての原子や分子の熱運動が止まる絶対零度を0Kとする温度の表し方を、絶対温度と言う。

 絶対温度の単位は、Kケルビンである。

 絶対温度をT[K]、摂氏温度をt[℃]とすると、
 T=t+273.15
と表せる。

 他の物体に与えた熱の量を、熱量と言う。

 熱量の単位は、Jジュールである。

 摩擦力がした仕事は、熱になる。

◎様々な温度

絶対零度 水の融点 水の沸点
セルシウス -273.15 0 100
ケルビン 0 273.15 373.15
ファーレンハイト -459.67 32 212
ランキン 0 491.67 671.67
ドリール 559.275 150 0
ニュートン -90.1 0 33
レオミュール -219 0 80
レーマー -136 7.5 60

◎比熱

 物体の温度を1K上げるのに必要な、単位質量(普通1g)あたりの熱量を、比熱と言う。

 比熱の単位は、 J/(g・K) ジュール毎グラム毎ケルビンである。1gの物体の温度を1K上げるのに必要な熱量を、1J/(g・K)と言う。

 物体の質量をm[g]、比熱をc[J/(g・K)]、上がる温度をΔT[K]とすると、
 Q=mcΔT
と表せる。

◎物質の三態

     気体
       凝縮  蒸発
昇華↑↓昇華 凝結↓↑沸騰
     凝固
  固体    液体
      
     融解

 液体が表面から気体になることを蒸発、内部からも気体になることを沸騰と言う。

 熱を加えても温度が上がらない時は、状態変化に熱が使われている

 固体が液体になる時に奪う熱を融解熱、液体が気体になる時に奪う熱を蒸発熱と言う。

 氷の融解熱は約334J/g、水の蒸発熱は約2257J/gである。

◎熱力学第一法則

 気体を構成する原子や分子は乱雑に動いているため、原子や分子も力学的エネルギーをもっていると言える。

 熱運動による運動エネルギーと原子間や分子間の力による位置エネルギーの総和を、内部エネルギーと言う。

 気体に熱を加えたり、仕事をしたりする時、気体の内部エネルギーが変化した量をΔU[J]、気体を圧縮する方向を正として、外部が気体にした仕事をW[J]とすると、
 ΔU=Q+W
と表せる。

 気体が膨張する方向を正として、気体が外部にする仕事をW'[J]とすると、
 ΔU=Q-W'
と表せる。

◎熱機関

 熱を仕事に変える機関を、熱機関と言う。

 熱機関がした仕事をW'[J]、熱機関が受け取った熱をQ1[J]、熱機関が与えた熱をQ2[J]とすると、
 W'=Q1-Q2
と表せる。

 熱機関が受け取った熱のうち、仕事に変換されたものの割合を、熱効率と言う。

 熱機関がした仕事をW'[J]、熱機関が受け取った熱をQ1[J]、熱機関が与えた熱をQ2[J]とすると、
 e=W'/Q1
  =(Q1-Q2)/Q1

と表せる。

◎熱力学第二法則

 熱が自然に低温の物体から高温の物体へ移動することはないため、熱平衡になる、つまり、低温の物体と高温の物体の温度が同じになると、熱はそれ以上移動しない。

 また、低温の物体と高温の物体が触れ合うと、熱は必ず移動し、熱機関は高温熱源からの熱によって温まるため、熱を全て仕事に変える熱機関は存在しない。

 高温の物体から低温の物体に熱が移動して熱平衡になった時、全ての原子や分子が同じ内部エネルギーをもち、同じ速度で熱運動をしているのではなく、高いエネルギーをもち高速で運動しているものもあれば、低いエネルギーをもち低速で運動しているものもある。

 この原子や分子がもつエネルギーの高さの変異を、エントロピーと言う。

 エントロピーは、常に増大する。

◎熱力学第三法則

 絶対零度の物体のエントロピーは、0J/Kである。

 最初から絶対零度の物体が存在しない限り、絶対零度の物体は存在しない。


 第5章 波

◎波

 密度が高いところと低いところを伝える波を、縦波、若しくは疎密波と言う。縦波には、例えば音などがある。

 位置のずれを伝える波を、横波と言う。横波には、例えば水の波や光などがある。

 波の速度は、
 v=x/t
と表せる。

 波を伝える物質を、媒質と言う。媒質が1回振動すると、波は波長1つ分進む。

 横波の変異が最も高いところを、最も低いところをと言う。

 縦波の密度が最も高いところを、最も低いところをと言う。

◎振動を表す量

 波が波長1つ分進むのにかかる時間を、周期と言う。

 波の速度は、
 v=λ/T
と表せる。

 媒質が1秒間に振動する回数を、振動数と言う。

 振動数の単位は、Hzヘルツである。媒質が1秒間に1回振動する時の振動数を、1Hzと言う。

 振動数は、
 f=1/T
と表せる。

 波の速度は、
 v=
と表せる。

◎波の重ね合わせ

 いくつかの波が重なった時、それぞれの波は自分の振幅を維持しながら、自分の方向へ進む。このことを、波の独立性と言う。

 いくつかの波が重なったものを、合成波と言う。合成波の振幅は、それぞれの波の振幅を足したものと同じである。このことを、重ね合わせの原理と言う。

◎定常波

 同じ振幅と波長をもつ波同士が重なってできた合成波のことを、定常波と言う。

 定常波は、その場にとどまっているように見える。

◎音

 物体が動くと、周囲の空気が疎になったり密になったりして、媒質が空気である疎密波、つまり音ができる。

 空気中において、音速をv[m/s]、気温をt[℃]とすると、
 v=331.5+0.6t
と表せる。

 音の要素は、音の高さ音の大きさ音色である。

 振動数が大きくなるほど音は高くなり、振幅が大きくなるほど音は大きくなる。

◎うなり

 若干異なる振動数をもつ音波同士が重なると、「ワーン、ワーン」と聞こえる。

 振動数の差が大きくなるほど、1秒間に聞こえるうなりの回数は多くなる。1秒間に聞こえるうなりの回数をf[回]、一方の音波の振動数をf1[Hz]、もう一方の音波の振動数をf2[Hz]とすると、
 f=f1-f2
と表せる。

◎固有振動

 音を発生させるものには、閉管開管の3種類がある。

◎弦

 nを正の整数として、長さがL[m]である弦に、波長の半分の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
 λn=2L/n
と表せる。

 波長が弦の長さの2倍である波を、その弦の基本振動と言う。nを正の整数として、振動数が基本振動のn倍である波を、n倍振動と言う。

 nを正の整数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
 fn=v/λn
  =v/(2L/n)
  =nv/2L
と表せる。

◎閉管

 nを正の奇数として、長さがL[m]である弦に、波長の1/4の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
 λn=4L/n
と表せる。

 nを正の奇数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
 fn=v/λn
  =v/(4L/n)
  =nv/4L
と表せる。

◎開管

 nを正の整数として、長さがL[m]である弦に、波長の半分の長さがn個入る定常波ができた時、波長をλn[m]とすると、
 λn=2L/n
と表せる。

 nを正の整数として、n倍振動の振動数をfn[Hz]、波長をλn[m]、弦の長さをL[m]とすると、
 fn=v/λn
  =v/(2L/n)
  =nv/2L
と表せる。


 第6章 電磁気

◎静電気

 あらゆる物体は、電荷をもっている。電荷の量を、電気量と言う。電気量の単位は、Cクーロンである。陽子約6.0×1018個がもつ電荷の量を、1Cと言う。

 陽子1つがもつ電荷の量は、約1.6×10-19Cである。電子1つがもつ電荷の量は、約-1.6×10-19Cである。原子1つがもつ陽子の数と電子の数は同じであるため、普段は物質の電気量は0Cである。

 しかし、異なる素材からなる物体同士をこすり合わせると、電子が移動し、物体が電荷をもつ。

 物体が電荷をもっている状態のことを、帯電と言う。帯電している物体がもっている電気のことを、静電気と言う。帯電している物体を他の物体に近づけると、物体同士の間で電流が流れる。この現象を、放電と言う。

 帯電している物体同士が及ぼし合う引力や斥力のことを、静電気力と言う。電気量の符号が異なる時は物体は近づき合い、同じ時は物体は遠ざかり合う。

 比例定数をk[(m3・kg)/(s4・A2)]、一方の物体の電気量をq1[C]、もう一方の物体の電気量をq2[C]、物体間の距離をr[m]とすると、静電気力は、
 F=kq1q2/r2
と表せる。

◎電流

 金属原子は、最外殻電子が自由に動くことによって結合している。

 割っか状に繋げた金属のことを、回路と言う。

 電子が流れることを、電流と言う。正の電荷が移動する方向を、正の電流の向きとする。

 電子の電荷は負であるため、電子が移動する方向と電流の向きは逆である。

 電流の大きさの単位は、Aアンペアである。無限に小さい円形断面積をもつ無限に長い2本の導体を真空中に1m離して置いた時、2/10000000[N/m]の力で影響を及ぼし合う電流の大きさのことを、1Aと言う。1Aは、1秒間に1Cの電気量が通過する時の電流の大きさに等しい。

 電流の大きさは、
 I=q/t
と表せる。

◎電圧

 電流を流す勢いのことを、電圧と言う。

 電圧の単位は、Vボルトである。1Aあたり1Wの電力が生じる電圧のことを、1Vと言う。

◎抵抗

 電流を妨げることを、抵抗と言う。

 抵抗の単位は、Ωオームである。1Aの電流を流すのに1Vの電圧を必要とする物質の抵抗のことを、1Ωと言う。

 電圧は、
 V=RI
と表せる。

◎抵抗率

 抵抗は、
 R=ρl/S
と表せる。

◎合成抵抗

 抵抗を直列に繋いだ時、合成抵抗をR[Ω]、一方の抵抗をR1[Ω]、もう一方の抵抗をR2[Ω]とすると、
 R1+R2=R
と表せる。

 抵抗を並列に繋いだ時、合成抵抗をR[Ω]、一方の抵抗をR1[Ω]、もう一方の抵抗をR2[Ω]とすると、
 1/R1+1/R2=1/R
と表せる。

◎電気とエネルギー

 ニクロム線に電流を流すと、熱くなる。この時、熱量は、
 Q=I2Rt
  =VIt

  =(V2/R)t
と表せる。

 ドライヤーは、もらった電気エネルギーをニクロム線で熱エネルギーに変えている他に、モーターで運動エネルギーにも変えている。このような様々なエネルギーを生むのに必要な電気エネルギーのことを、電力量と言う。

 電力量は、
 W=I2Rt
  =VIt
  =(V2/R)t
と表せる。

 単位時間(普通1秒)あたりに消費される電力量のことを、消費電力と言う。消費電力は、
 P=W/t
  =I2Rt/t
  =I2R
  =VI
  =V2/R
と表せる。

 電力量の単位には、Whワット時も使う。1Wの電力を1時間消費した時の電力量のことを、1Whと言う。

 抵抗を直列に繋いだ時、電力量や消費電力は、抵抗に反比例する。

 抵抗を並列に繋いだ時、電力量や消費電力は、抵抗に比例する。

◎直流と交流

 向きが一定である電流のことを、直流(direct current)と言う。直流は、電圧が一定である。

 乾電池の電圧は、1.5Vである。

 向きが周期的に変わる電流のことを、交流(alternating current)と言う。交流は、電圧も周期的に変わる。

 一般家庭に供給されている電気の電圧の振幅は、約140Vである。これを直流に換算すると、100Vになる。

 静岡県富士市旧市域よりも東における周波数は50Hzであり、同市旧富士川町よりも西における周波数は60Hzである。

◎変圧器

 ある抵抗に50Vの電圧をかけたい。しかし、今、手元には電圧が100Vである電気しかない。そのような時には、変圧器を使う。変圧器とは、電圧を変えるために使う、2つのコイルを1つの鉄心に巻いたものである。

 電流を流すコイルにかかる電圧をV[V]、そのコイルに導線を巻いた回数をN[回]、電流が流れるコイルにかかる電圧をV'[V]、そのコイルに導線を巻いた回数をN'[回]とすると、
 V:V'=N:N'
と表せる。

◎アンペールの右ねじの法則

 磁石同士に働く引力や斥力のことを、磁力と言う。

 磁力が生じている空間のことを磁場と言い、方位磁針を置いた時にN極が指す方向のことを磁場の向きと言う。

 電流が流れるとその周りに磁場ができるが、電気が奥に流れる時は磁場の向きは時計回りになり、電気が手前に流れる時は磁場の向きは反時計回りになる。

◎電磁誘導

 磁石を導線に近づけたり離したりすると、導線に電気が流れる。

 電磁誘導では、コイルの中を通る磁力線の数の変化を打ち消す方向に電流が流れる。

量記号 物理量・物理定数 単位
a 加速度 m/s2
c 比熱 J/(g・K)
e 熱効率 なし
f 振動数 Hz
f 静止摩擦力、抵抗力 N
f0 最大摩擦力 N
f' 動摩擦力 N
F N
g 重力加速度 m/s2
h 高さ m
I 電流 A
k ばね定数 N/m
K 運動エネルギー J
l 長さ m
m 質量 kg
p 圧力 Pa
P 仕事率、消費電力 W
q 電気量 C
Q 熱量 J
r 半径 m
R 抵抗 Ω
S 面積 m2
t 時間
T 周期
T 温度 K
U 位置エネルギー、弾性エネルギー J
v 速度 m/s
v0 初速 m/s
V 体積 m3
V 電圧 V
W 仕事、電力量 J
x 距離、長さ m
θ rad
λ 波長 m
μ 静止摩擦係数 なし
μ' 動摩擦係数 なし
ρ 密度 kg/m3
ρ 抵抗率 Ω・m

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